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2011年10月2日のブックマーク (1件)

  • 今週の本棚:山崎正和・評 『科学コミュニケーション-理科の…』=岸田一隆・著 - 毎日jp(毎日新聞)

    ◇『科学コミュニケーション-理科の<考え方>をひらく』 (平凡社新書・798円) ◇困難を自覚した科学啓蒙の決意 「科学立国」は日の国是だと叫ばれながら、他方では若者の「理科離れ」が囁(ささや)かれている。世界中で科学が世界観の中心を占めるなかで、庶民の非科学的なふるまいが問題を起こしている。米国では予防ワクチン注射に母親の反対運動が広がったり、日では放射能汚染の被害者への差別が見られたりした。科学コミュニケーションの必要と困難は、あらためて誰しもが感じるところだろう。 著者もみずから専門の物理学者として、科学者と一般庶民の知識の溝に憂慮を覚えて、筆を執った。だがこの著者が凡百の科学啓蒙(けいもう)家と違うところは、専門の研究者として問題の深刻さを自覚し、溝を埋めるのは容易でないという現実直視に立っていることである。「科学の感動」だの「科学を身近に」といった甘ったれた標語を排して、科学