ソクラテスの妻という言い方があって、そう言っただけで、悪妻だな、と理解していいことになっている。作家佐藤愛子氏には『ソクラテスの妻』という小説があるが、別にソクラテスやその妻が出てくるわけではなく、屈託のないダメ亭主を妻が皮肉な眼で見ているという話である。 つまり、ソクラテスの妻というのは悪妻の代表選手なのである。小野小町が美人の代表なのと同じように、ソクラテスの妻は悪い妻なのだ。どういう女性だったのかは知らないけど、とにかく悪妻なんだよね、とされている。 考えてみると、かなりひどい話である。その人がどんなふうに悪い妻だったのかの内容はほとんど伝わってないのに、ただ悪妻だったということだけが有名なのだから。 【文芸】14歳 人生最悪の14歳。それでも少年の答えに“死”はナイ。カリスマ芸人が描いた自伝的小説、ついに単行本化!-08.04.09