書いた後で開かなくなったのか、初めから開かないものだったのか、中身は何が書いてあるのか、何も書いていないのか、開ける手段があるのか、開けずに書いたり読んだりする手段が存在しているのか、はたまたこの本の中身にこの本を開ける方法が書いてあるとかないとか、いつ誰が何の目的で書いたのだとか、一切は知られていない。 これはあくまで筆者の推測である。 スウェーデン生まれアイルランド育ちのウィリアムスは、著書を人に読まれることを好まないことで有名な小説家だ。1980年代初頭、その独特の作風で有名になった。 アブハズ語で書かれた彼の代表作”Аҧсуа бызшәа”は、世界で数人しか読解できるものが存在しないと言われている。故に氏に対する評価は未知である。そんな彼が晩年に遺したと言われているのがこの開かない本だ。 彼の意に反して、この開かない本はベストセラーとなり、買う人はみな、中身に何が書いてあるのか詮