日本唯一の怪談専門誌と謳っている角川の「幽」という雑誌から頼 まれていたエッセイを「山田風太郎と明治物」と言うタイトルで郡司 珠子に発送。これは「幽」の二十七号に掲載される。 「教育勅語」が問題になって以来、「朕思わず屁を垂れて、汝臣民臭 かろう」というろくでもないパロディが、以前おれの書いたパロディ として取り沙汰されているようだが、これはおれが生まれる前からあ ったパロディだし、パロディとも言えぬ平凡なものだ。こんなものわ しが書くわけなかろう。おれが「狂気の沙汰も金次第」(昭和四十八 年)で書いた「教育勅語」のパロディ、正しくは次のようなものであ り、ここに改めて採録しておきます(括弧内は原典の現代語訳)。 狆思うにわがこそこそ肉食いはじめること公園で(朕惟うに我が皇 祖皇宗国を肇むこと宏遠に)、徳利立つること深刻なり(徳を樹つる こと深厚なり)。わが蕁麻疹、よく中風、よく荒淫、奥さ
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