発売前にインターネットで全文を無料公開した本が、書籍の売り上げでも好調だ。昨年11月にNHK出版から出版された『フリー 〈無料〉からお金を生み出す新戦略』(クリス・アンダーソン著、高橋則明訳)は21日までに約12万部を発行。同書が説くのは、基本版を無料提供し、そのうちの一部ユーザーの有料版への移行で収益を得るというネット時代の新しいビジネス。これを自ら実行し、証明した形だ。(磨井慎吾)関連記事著作権切れ音楽が無料、注目集まるダウ…鉄道“減速”無料化の逆風 対抗策に妙…記事本文の続き 著者のクリス・アンダーソンさんは、米IT誌「ワイアード」の名物編集長。ネット販売において“売れない商品”こそが重要な収益源になる現象を説明した前著『ロングテール』は、世界的ベストセラーとなった。 今回の『フリー』は、昨年7月の米国での発売と同時に、2週間限定で全文を無料公開。30万ダウンロードを記録したにもかか