被害者の供述だけが、信用されがち 2019年1月、3年前に再審で強姦罪で無罪となった男性が国に損害賠償を請求したが、大阪地裁で棄却された。男性は結果的に計6年間身柄を拘束されたが、無罪となったきっかけは、被害女性が「自分の証言は嘘だった」と男性の弁護人に告白したことだった。 被害者の虚偽供述で、無実の人間が罪に問われて人生を奪われる。まさしく悲劇だが、怖いのはこれが氷山の一角にすぎないことだ。数々の冤罪事件を手がけ、現在放映中の冤罪事件ドラマのモデルにもなっている今村核弁護士は次のように明かす。 「裁判所は、被害者はほとんどは嘘はつかないという前提で判断する。後に被害者が嘘を告白したこの事件も、裁判所はルーチンで判断を下しただけ。この事件の陰には、数多くの冤罪事件が潜んでいます」 裁判所が定型的に仕事をしていることがよくわかるのが判決文だ。 「痴漢冤罪が話題になり始めた2000年前後、研究
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