「河瀬直美が見つめた東京五輪」の重大な放送倫理違反 「五輪反対デモで金銭が授受されているという事実でない内容が、半ば捏造ねつぞう的に放送された。単なる過失にとどまるものではなく、重大な過失だ」 放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会(小町谷育子委員長)が9月9日、NHKのBSドキュメンタリー番組「河瀬直美が見つめた東京五輪」(2021年12月26日放送)で、「重大な放送倫理違反があった」と結論づけた意見書を公表、記者会見で井桁大介委員が発したことばは、「字幕事件」の核心を突いた。 検証委は、番組について「取材、編集、考査、調査の各段階で問題があった」と指摘し、NHKと日本民間放送連盟が策定している「放送倫理綱領」(1996年制定)や「NHK放送ガイドライン」に違反していると断定した。 問題となった番組中の男性の発言については、担当ディレクターが五輪反対デモではない別のデモに関