「ファッションは季節ごとに最新の流行情報を与えるシステムだ――これまで多くの人に、ファッションはそう受け止められてきた。新作コレクションや流行情報の量が圧倒的なあまり、人々はそこに自分の思考を挟むことを、機械的に阻止してしまってきたのかもしれない。でも実は、ファッションを入口にして、さまざまなことを語ることができる。」 (林央子著『拡張するファッション』より) 1990年代は資生堂『花椿』誌の編集者として、2000年以降はインディペンデントな個人雑誌『here and there』の編著者として、長年ファッションやアートの世界を見つめてきた林央子。その林による著作『拡張するファッション』(スペースシャワーネットワーク、2011)は、ファッションを軸に現代的なものづくりや表現の方法を探っている国内外のアーティストたちの仕事を紹介し、多くの反響を呼びました。 本書を元にした本展では、『拡張する