読むと食べたくなる一冊。 『ずっしり、あんこ』(河出書房新社) 読者登録させていただいているアキ・ラメーテさんのブログで紹介されてからずっと気になっていた一冊でした。 aki-ramete.hatenablog.com 実店舗で現物を見てから買いたいと思いながらずっと探し回っていて、先日ようやく見つけました。 タイトルのみならず、著者の面々もかなりずっしり。芥川龍之介をはじめ、池波正太郎、井上靖、上野千鶴子、手塚治、酒井順子などなど、目次を見ただけでもわくわくします。 その中で男性の著者たちの「あんこ」という甘味に対する思いがおもしろかったです。「こしあん」か「つぶあん」かという定番のテーマはもちろんのこと、「あんこ」にまつわる思い出も、甘いもあれば苦いもあり...。 池波正太郎の「粟ぜんざい」(神田〔竹むら〕) 若いころは、いくら食べたくとも、女の客で充満している汁粉屋へ入るのが、(見っ
2016年4月14日(木)に熊本県を震源とする地震が発生し、その後も九州全域で大きな地震が相次ぎ被害が拡大しております。 被災地のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。 このたび、CREA編集部は被災地のみなさまの支援を目的とした「CREA〈するめ基金〉熊本」をはじめます。気象庁発表の「平成28年(2016年)熊本地震」に基づいて、名称には熊本を入れました。 2015年の6月、「熊本旅行記」のため、熊本を訪れました。メンバーは、村上春樹さんと都築響一さん。故郷の熊本に暮らす吉本由美さんを訪ねる旅です。「東京するめクラブ」のリユニオンです。4泊5日のこの旅は、紀行文を村上春樹さん、写真を都築響一さん、案内人を吉本由美さんとして、とても素敵な企画になりました。 何かすぐにでも役に立てることはないか? 正解はひとつではないと思いますが、村上さんとご相談の上、まずはこのような支援金を集め、届けると
ヴィーナス・プラスX (未来の文学) 作者:シオドア スタージョン 発売日: 2005/05/01 メディア: 単行本 突然、両性具有の理想郷の世界に放り込まれた男性、もとの世界に戻るには、「私たちの世界を評価せよ」と言われ…。同時に50年代アメリカの一般家庭の日常が交互に進む展開。 二十七歳のチャーリーはラブラブな彼女の家から朝帰りして、自宅の階段を上る途中で記憶が途絶え 目覚めると奇天烈な服を着たレダム人のいる滑稽無糖な建物の中にいた。 Where am I! いったいここはどこなんだ? 勝手に未来にタイムスリップしたんだと納得するチャーリー。 思わず失笑しました。今なら自分もそう思いこみそうだし。 さて状況が落ち着いてからは好意的なレダム人からレダムを案内されます。レダム人は両性具有者同士の結婚により、双方が妊娠し双子を出産し、進んだ科学の力で知識や情報は一瞬で脳にインプットされ、で
ボヴァリー夫人 :フローベール / 姫野カオルコ著のレビューです。 ボヴァリー夫人 フローベール 作者:姫野 カオルコ 発売日: 2003/04/07 メディア: 単行本 心身ともにナイロンのように燃え上がるボヴァリー夫人 「明日は舞踏会」で登場した「ボヴァリー夫人」。 どんな小説か気になっていたところ、 「文学の興味を30分で高める、現代作家がリトールドした傑作」 という本書を見つけた。 まさに30分もあれば読めてしまいます。絵本とも言えますが、 内容はどう考えても大人の読み物です。挿し絵もとても 色彩鮮やかでエロチック。 さて、このボヴァリー夫人ことエマは医者と結婚するが、 やがて、平凡な毎日に辟易とする。変化が欲しくて理想の人と 結婚したはずだったが…「ダサイ人・たいくつな人」と 夫のことを思い始めます。 そして、ある日、たまたま出かけた舞踏会を機に、転げ落ちるように 不倫に買い物依
恋愛詩集:小池昌代著のレビューです。 恋愛詩集 (NHK出版新書) 発売日: 2016/03/28 メディア: Kindle版 感想 「恋愛詩集」ではあるけれど、ある者はお母さんのことを想い、ある者は友のことを想い詩を奏でる。 (本が好き!の献本書評です) 詩集なるものは滅多に読まないのですが、今回小池昌代さんの編著ということで興味を持ちました。書評を書くということに若干不安はありましたが、良い機会をいただき 久しぶりに「詩」の世界へ飛び込んでみました。 その名も「恋愛詩集」。 たっぷり恋愛の言葉のシャワーを浴び、プリプリのお肌を手に入れよう・・・と、恋愛詩集からコラーゲン的効果を期待するという目論見で読み始めたはいいが・・・。 人を詩人にしてしまうほど、誰かのことを想う気持ちは、なにも恋人たちだけではないということに気づかされる。 ある者はお母さんのことを想い、 ある男の子は友のことを想
シンデレラの告白:櫻部由美子著のレビューです。 シンデレラの告白 作者:櫻部由美子 発売日: 2015/10/01 メディア: 単行本(ソフトカバー) ずっと読んでいたくなる童話の雰囲気を持つミステリー! はじめて読む作家さんだし、「ハズレ」でも仕方がないかな・・・なんてちょっと失礼な気持ちで読み始めたのですが、「ワタクシとんでもない愚か者でした。」と、丁寧にお詫びしたくなるほど、予想は大きく裏切られた。 冒頭から日本人作家の小説という雰囲気がなく、まるで西洋文学を読んでいる感覚がしたものだから、何度か作家名を確認しちゃいました(笑) 童話、ミステリー、サスペンスと、いろんな要素がふんだんに盛り込まれていて、一度本を開いてしまうと一気に時間が過ぎているといった感じで楽しめます。 15世紀末、各地では魔女裁判が行われていた中世ヨーロッパ。 美しい未亡人である母と、父親似で「ハイデンの鬼姉妹」
『ビールの最初の一口とその他のささやかな楽しみ』スコッチウイスキーのウィルキンソンソーダ割をお供に。 セロリスティックと、小岩井の大人のチーズ柚子こしょう味。 このチーズ、美味しい!お酒がすすむ! 野菜不足にはセロリかじっときゃOKでしょ、という単純さ。 ビールの最初の一口―とその他のささやかな楽しみ 作者: フィリップドレルム,Philippe Delerm,高橋啓出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1998/07メディア: 単行本 クリック: 9回この商品を含むブログ (5件) を見る
わが性と生 :瀬戸内寂聴著のレビューです。 わが性と生(新潮文庫) 作者:瀬戸内 寂聴,瀬戸内 晴美 発売日: 2016/08/19 メディア: Kindle版 ☞読書ポイント コロコロ笑える明るいスケベな本。瀬戸内さんの魅力満載です ☞読書ポイント 明るいスケベ本。スケベな話だけど下品じゃない。明るく笑いながら一気に!寂聴さんのチャーミングな魅力が感じられます。この本から瀬戸内作品を始めるのも良いかもです。 コロコロ笑える明るいスケベな本。瀬戸内さんの魅力満載です いやー面白かったですよ。 「昭和のスケベ手引き本」って感じです。 出家前の瀬戸内さんと、出家後の瀬戸内さんが、往復書簡という形式で話を進めて行きます。 2人の間で行う往復書簡の本はいくつか読みましたが、同じ人物が、昔と今の自分とのやり取りをするなんて、面白いアイデアですよね。 色々なスケベな話が出てきますが、決して下品じゃない
邂逅の森:熊谷達也著のレビューです。 邂逅(かいこう)の森 作者:熊谷 達也 発売日: 2012/09/20 メディア: Kindle版 山に始まり、山で終わる。読み応えありの長編骨太作品! マタギの話を読みたくて借りた本でしたが、いやーなんというか、マタギ以外の世界をも見せてもらった感じで、非常に充実した読書になりました。 そもそも、こういう暗雲立ち込めた一人の男の人生を追った長編小説に圧倒されることが結構すきだったと言うことをあらためて実感。そんな私の好奇心を満たしてくれた「邂逅の森」。 秋田県阿仁の貧しい小作農に生まれた富治を追う小説は、マタギの話に留まらず、複雑に絡み合う人間模様を交えながら長い長い旅に出ているかのように話は綴られる。 マタギであった富治は、地主の娘と熱烈な恋に落ち、逢瀬を繰り返すが、やがて娘の父親にバレてしまい、村を追われてしまう。 マタギをやむなく辞めさせられ、
二重生活:小池真理子著のレビューです。 二重生活 (角川文庫) 作者:小池 真理子 発売日: 2015/11/25 メディア: 文庫 尾行されていた!しかも、ご近所さんに…。 大学院生25歳の珠は、大学の講義でフランスのアーティスト、 ソフィ・カルの「文学的・哲学的尾行」に触れる。 これは一体どういうことなのかと興味を持つようになる。 そして、ある日、たまたま見かけた近所に住む出版社に 勤める妻子持ちの石坂を尾行してしまうことから、 話が展開して行きます。 この男性はそう、浮気してるんです。 愛人に見せる顔と家庭での男の姿など、小池さんにかかると 本当に自分までもがコソコソその様子を覗き見している 気分になり、「やだ、あたしったら…ちょっとこの状況、 楽しんじゃってるし…」と思いつつ全く読む手が 止まりません。 しかし、そんな私のような好奇心いっぱいの読者をよそに、 珠は、黙々とソフィ・カ
以前、書いたのだけれどスマホでのネットサーフィンをダラダラとしてしまうせいで、寝不足、自己嫌悪。 何とかこれをやめたいと、この本『新しい自分自い分に生まれ変わる「やめる」習慣』を読んでみた。 代表的な悪い習慣、先延ばし、ネット・スマホ、ムダ遣い、ダラダラ生活、夜更かし、食べ過ぎ、飲みすぎ、イライラ、クヨクヨ、完璧主義。 イライラや、クヨクヨ、完璧主義も習慣なのか……。 性格なんだと思っていたけれど。 やめたい習慣の3分類 行動習慣(レベル1…1ヵ月)ネットサーフィン、ムダ遣い、先延ばし、ダラダラ休日など 身体習慣(レベル2…3ヵ月)タバコ、食べ過ぎ、飲み過ぎ、夜更かしなど 思考習慣(レベル3…6ヵ月)イライラ、クヨクヨ、完璧主義、考え過ぎるなど 私がやめたいネットサーフィンはレベル1の行動習慣に分類されるらしく比較的やめるのは簡単そうだ。 目から鱗だったのはやめたい習慣にかわるスイッチング
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