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3つのデータモデルの役割を理解する 「各工程におけるデータベース設計の役割」で述べてきたように、システム開発ライフサイクルの工程において必要となるデータモデルは3つあります。ここで各データモデルの違いについて再度確認しておきましょう。 概念データモデル システム化対象範囲の業務プロセスをモデル化したものです。ビジネス活動全体を俯瞰的に捉えることができるため、概念データモデルから、システム化対象範囲を判断することができます。 論理データモデル 概念データモデルで確定した対象範囲に対して既存データベースやExcelファイル、帳票、画面など関連する情報から項目レベルでデータを捕捉し、企業が管理すべき対象「エンティティ」と、業務の流れを表す「リレーションシップ」をER図で表現します。データ重複の排除を行い、業務単位で必要となるデータを明確にし、ビジネスの将来的な変化に対応できる安定的なデータ構造を
前回まで、システム企画段階における「概念データモデル」、基本設計段階における「論理データモデル」についてお話をしてきました。この2つの共通点は、企業のビジネス活動をデータモデルで可視化することでした。今回は、詳細設計フェイズにおける「物理データモデル」を解説します。 物理データモデリングとは 第4回「データベース設計はいつ、何をポイントに行うか」でも触れましたが、物理データモデリングは、システムを動かすことを目的に作ります。概念モデル、論理モデルとビジネスの視点を中心に設計をしていましたが、物理モデルは「システムの視点」による設計となります。 ここでは、リレーショナルデータベースへの実装を前提として、論理データモデルとの乖離(かいり)を最小限に抑えながら、アクセス方式と格納方式を考慮した設計を行うことで、システム要件を満たした「動くシステム」の設計を行います。 2つの方式で“複眼的な視点”
ビジネスの変化に強いシステム構築を実践する上で必要となる「データモデリング」。この連載では、データモデリングの基本的な考え方とデータモデリングの必要性と使い方について解説します。本連載を通して、データモデリングの本質をとらえ、皆さんの企業においてどのようにデータモデリングに取り組んでいくべきかのヒントになれば幸いです。 データモデリングとは何か? データモデリングという言葉の中にある「モデリング」とは、ある一定のルールに基づきモノや事象(コト)を整理する技法のことをいいます。モデリングを行うことで物事が整理されていくため、新たな発見や現状の再認識などが容易に行えるという大きなメリットがあります。 データモデリングは「データ」を「モデリング」する技法、つまり、「データ(対象となるモノや事象)」を一定のルールに基づき整理していく手法です。一般的にシステム開発には「要件定義」「基本設計」「詳細設
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