深くて暗い穴がある。 穴の中には飢え狂った犬がいる。 手を入れると犬に噛みつかれるかもしれない。 しかし犬が気づかなければ噛まれずに済む。 そして古来からその穴に手を入れるときは、手斧を用意しなければならないと言われている。 ある時、男が穴に手を入れた。 見ていた男の仲間らは囃し立てて大喜び。 犬は男に気づき、穴に突き入れた腕に噛みついた。 とっさに自分の腕を切り落とし、逃げ出す男。 囃し立てていた仲間もバラバラに逃げまわる。 誰もいなくなったあと。 穴から犬が出てきて、男の血の跡を追い始めた。 犬は男の喉笛を噛みちぎるまで追うことをやめない。犬は狂っているのだから。 手斧は己の腕を切り落とすためにあるわけでは無い。 穴に自らが入り、恐ろしい犬と対峙するためにある。 手斧を磨き、犬を殺すつもりがないのであれば穴に手を入れるべきではない。 はてな某所に伝わる民話 なんでも 「普通にはてなブッ