あれよあれよという間に高知競馬の廃止論が高まっている。 平成12年2月に出た「高知競馬の今後のあり方に関する提言」に盛り込まれていた存廃決断のめどは16年度だった。当事者の県競馬組合自身、この秋までは「まだ1年ある」と踏んでいた。ところが…。 ほんの1カ月ほど前から唐突に前倒し廃止論が台頭した。問題にするのは、要するに80億円の累積赤字。経営改善があり得ないことを前提に、「県民につけを回すつもりか」「廃止を」と声高く主張する。 経営改善は、もう無理なのだろうか。 「違う!」と熱く語る一人の仕事師がいる。 「どんなに努力しても無理というなら県、市が税を投じて清算するしかないでしょう。そんなことをすれば数百人の雇用が失業に変わります。各種の税収入や経済効果も消えてしまいます。高知競馬の存在意義、商品価値、波及効果は何かを考えてほしい。経済効果はどうか、中央競馬の故障馬を再生させる高い技術価値は