今日はテント泊することを決めていた。 人生2度目のワット・マハータート（仏教寺院の廃墟）を堪能しアユタヤをあとにする。 アユタヤから北へ70km程進むとシンブリーの町があり、何事もなく町に着く。 日が暮れテントが目立たなくなってから寝床を作ろうと思っていた。町をひと通り回り終える頃には、辺りは暗くなり始める。テントを張る場所を予め決めていた為、そこへ向かう。 到着し自転車を降りると、大通りを隔てた向こう側から、犬の鳴き声が聞こえる。1匹が吠えているともう1匹加わり吠え出す。どちらも黒犬である。私と黒犬の間にある道路は、車やバイクが行き交っている。その状況でも黒犬のうち1匹は今にもこちら側に来ようとする勢いを持ち合わせている。 「テント張ってる最中に犬が来られても面倒くさいし、ここに張るのはやめよう。」 その場から離れても1匹の黒犬は、縄張り意識が強いためか吠え続けている。身を隠し、しばらく