突然襲った脳硬塞の病から6年余り。3年前にリハビリ生活から復活を果たし、現在は「日本の古代王権」という壮大なテーマに挑む栗本慎一郎氏。現在の研究や今後の活動について、お話を伺った。 Q.近著『シリウスの都 飛鳥』(たちばな出版)では、蘇我氏の出自をゾロアスター教的、ミトラ教的要素などさまざまな角度から解明しています。 「日本の古代王権」を主要な研究テーマに据えていらっしゃる理由をまずはお聞かせください。 【栗本】 私はもともとカール・ポランニーの経済人類学を勉強していて、初期にはその研究を日本に紹介する仕事をやっていました。 ポランニーは人類学といいながら、バビロニアなど古代文明史における「貨幣とは?」といった研究も手がけていました。それは、元来の経済人類学のメインテーマです。 経済人類学を学び始めた頃、私は奈良のウワナベ・コナベ古墳近くに住んでいました。 当然、私も日本の古代史について研