黒色の四角いリュックサックを背負い、スポーツタイプの自転車にまたがり駆け抜ける―。街の至る所で食事宅配サービス「ウーバーイーツ」配達員の姿を見るようになった。日本にいる多くの外国人も働くが、大阪府警は1月、全国で初めて、不正に配達員登録した疑いでベトナム人の男(24)を立件した。 取材を進めると、コロナ禍で深刻さを増す外国人労働者の困窮につけ込み、会員制交流サイト(SNS)で他人の在留カードなどを売買するブローカーの存在が浮かび上がった。新型コロナウイルス感染拡大で宅配需要が高まり、追い風を受けるウーバーイーツ。そこに活路を見いだし集まる外国人労働者の現状を探った。(共同通信=寺田佳代) ▽涙ながらに 「借金はベトナムで仕事を探してどうにか返す。早く国に帰りたい。すみませんでした」。今年2月、配達員だった男は法廷で涙ながらにベトナム語でこう述べ、肩を震わせた。捜査関係者などによると、男は日