若い頃に読んで面白かったマンガ、小説、音楽を 年を取ってからもう一度読んだり聞いたりすると、陳腐で薄っぺらく感じられることが多い。 それなりに長く生きて、天国も地獄も、人の醜いところも美しいところも、 否応なく味あわざるを得なかった後では、 リアルな経験に裏打ちされていないご都合主義の舞台設定は、 いかにも作り物という感じだし、 主人公の苦悩や冒険にしても、現実世界ではとうてい通用しない迂闊でマヌケで あまちゃんな覚悟と能力と作戦であっさり成功するのをみて、げんなりする。 読んできた本も多くなってくるから、ありきたりのラブストーリーなど、 またか、という感じで、先が読めてしまって感動もない。 しかし、ごく少数だが、十数年の人生が経過した後でも 少しも陳腐化しないものがある。 ボクにとっては、その一つがブルーハーツだ。 若い頃、何千回もブルーハーツの曲を聴いた。 聞くたびに、忘れていた大切な