本書(ピタゴラスの定理でわかる相対性理論)p.65-66では、球面三角形の面積について解説を行ったのですが、じつは紹介仕切れなかったことでとても面白い話があり、今月はその話をしてみたいと思います。 球面三角形の面積を求めるものに、本書で紹介した「ガウス・ボンネの定理」があります。実は、この定理の式から、面白いことに、皆さんご存知の平面幾何の「三角形の面積」を求める式を導くプロセスを紹介しましょう。そして皆さんからより良い証明ができれば是非教えてほしいと思います。では試みてみます。 球面三角形の面積はガウス・ボンネの定理は、 によって与えられる。ここでは内角をα、β、γの代わりにA, B, Cとしている。 図1 球面上の小さな三角形 三角形が小さいときには平面三角形の底辺×高さ÷2になることを証明する道筋を紹介しよう。 まず、余弦定理として本書p.66の(3.5)のほかにもう一つ補完的な定理