序・「山月記」の歴史の旅へ本書の目指すところ/本書の構成および意義 第一章 小説「山月記」の掲載 1 「古譚」の中の「山月記」 2 切り離された「山月記」 第二章 教材「山月記」の誕生 1 検定教科書制度の成立と「山月記」の掲載教材価値の今昔/「山月記」の掲載/ 国定教科書と検定教科書との連続性/検定制度の内実 2 『中島敦全集』との関わり漢文の人、中島/毎日出版文化賞/昭和二〇年代の出版界と毎日出版文化賞 3 読書指導と「良書」としての「山月記」学習指導要領の概観/資料としての教科書/「付表 資料としての図書一覧表」/ 「山月記」教材化と民主主義の模索 第三章 「山月記」の授業――増淵恒吉の「山月記報告」を読む―― 1 テキストの仕掛けから問題の発端/テキストが持つ仕掛け 2 「李徴」の「欠けるところ」をめぐって――増淵恒吉の業績とその授業――先導者・増淵恒吉/増淵恒吉の「