北アルプス・上高地(松本市)に生息する外来種のゲンジボタルについて、環境省が駆除に乗り出すことが9日、分かった。同省上高地自然保護官事務所は「本来そこに存在しないはずのホタルが、外部から持ち込まれたとみられる。放置すれば、生態系に悪影響を及ぼす可能性がある」と話している。 安曇野市のNPO「野生生物資料情報室」(植松晃岳代表)によると、ゲンジボタルは上高地の河童(かっぱ)橋から梓川沿いに約1・2キロ下った池周辺に数百~数千匹生息。NPOは4年前に調査結果を発表し、同省に駆除を提案していた。 上高地は中部山岳国立公園の特別保護地区で、国の特別名勝や特別天然記念物に指定されており、現状変更には許可が必要。同省は、温泉水が水路を通じて池に流れ込み、ゲンジボタルの生息に適した環境が出現していると判断。温かい水の流入を止め、池の水温が下げることで駆除する方法を検討中という。