ブックマーク / fktack.hatenablog.jp (14)

  • 山下澄人「壁抜けの谷」 - 意味をあたえる

    タイトルのを昨日読み終わった。とちゅうはとにかく様々な人が大した説明もなく次々に現れたり現れなかったりしたから前後が不覚になり、「どうして私はこの小説を読み続けるのだろう」と考えたりした。それは過去の積み重ねなのだった。しかし過去というのはどうでもいいからいつも「もういい」というところまで読んでやめた。言葉じたいは易しいから、いつもある程度の量を読むことができた。いつのまにか残りの分量が少なくなった。ラストほうに来て、とつぜん答え合わせのようなものが始まり、○○と△△は親子であり、とか主人公はこういう状況でしたみたいなのが明らかになり、そういう展開になるとすいすい読める。なるほどねー、と思う。しかしこれで良いのかと思う。ラストの答え合わせ小説といえば、私の中では舞上王太郎が挙げられる。私が初めて読んだ舞上の小説は「世界は密室でできている」で、確か女の子が家の屋根から飛び降りてそれは自殺で

    山下澄人「壁抜けの谷」 - 意味をあたえる
  • 一目憎み - 意味をあたえる

    ケータイで「ツァラトゥストラはこう言った(岩波文庫)」を読んでいたらタイトルの文句が出てきて、確かに一目惚れはあるが、その逆はない。逆と言えば厳密には「じっくり憎み」であるがこちらは普通にある。私たちはつまり、初見で相手を憎むなんてあまりにアンフェアだ、とでも思っているのか。あるいは憎むのにはエネルギーが要り、とても第一印象でどうにもできないということか。惚れるというのはいかにも軽い感情という感じがする。「一生愛する」は子供でもできそうだが、「生涯憎み続ける」というのはそれなりのインパクトがないと無理だ。 話は変わるが昨日テレビを見ていたら(私はテレビをよく見る)俳句の毒舌の女の人が出ていて、昨日の番組では俳句ではなく配偶者との馴れ初めのドキュメンタリーをやっていた。もうお互いおじいさんおばあさんなのだが、仲むつまじい姿を見てが、 「こんな関係になりたい」 と言うので私ものぞむところと思

    一目憎み - 意味をあたえる
    akouroushix
    akouroushix 2016/10/25
    ここが渡世人の辛いところです。
  • 「意味をあたえる」の読み方~当ブログ千記事目に寄せて - 意味をあたえる

    この記事が千投稿目というわけではなく、当はもういくつかあるのだが、このブログサービスを使っている人ならわかるだろうがこのブログサービスは記事を投稿する度に「これで○記事書きましたよ」とお知らせする機能があり、あまり気にしないようにしてきたが、980くらいから馬鹿に目に付くようになり、私は当は節目だからなんだとかそういうのは好きじゃないがたまにはそういうことも良いだろうという気になった。そういう気になると、まだ千を超えてなくとも書いてしまおうというのが私の性分なのである。私は少なくともこのブログにおいては準備するとか下調べするというのはしないようにしていて、「千目の記事を書こう」と思ってもそれが当に千回目にくるかはわからないのである。どうして待てないのですか? と聞かれればたとえばこの記事を990目に書き上げて用意していたとして、しかしそうなると991から999までがつなぎの記事にな

    「意味をあたえる」の読み方~当ブログ千記事目に寄せて - 意味をあたえる
    akouroushix
    akouroushix 2016/10/03
    敬服するところです。
  • fktackの短歌通信 - 意味をあたえる

    昨日の記事で短歌を書いた後に、短歌でない文章も書こうと思ったが、ハイボールを飲んでケーキをべたら、もうそういう気にはなれなくなってしまった。ケーキをべたのは、私たちが結婚記念日だったからだった。私はスイカを持って帰ってきていて、それを見た義母が私もケーキを買ってきたものと勘違いし、滑稽そうに大口をあけて笑った。確かにスイカは白い厚手の袋に入っていたから、勘違いしても無理はなかった。私は義母の大仰な笑いで、ようやく今日が結婚記念日であることを思い出した。スイカは私が買ったわけではなかった。営業が客先にもらったものを、譲ってもらっただけであった。 「押し付けるみたいで、悪いね」 と彼は言った。年は上なので、私は一応喜んで見せたが、心では嫌がっているのは明らかであった。普通だったらもう少し仕方無さそうに受け取り、部署内で欲しそうな人に分け、誰も欲しがらないので私の機嫌が悪いと捨ててしまうの

    fktackの短歌通信 - 意味をあたえる
  • 足がかり - 意味をあたえる

    昨日東京都と埼玉県の美術館に行った。最初友達が私の家まで迎えにきてくれて、私は 「9時半」 と時間を指定したが、実際にやってきたのは10時を過ぎてからだった。いつも時間にルーズな人だったので、私もいつものことだと気にしなかった。しかし彼がやってきたとき、私はトイレに入っていたから、最終的に私が待たせるような形になってしまった。チャイムが鳴らされたが、家族はみんな出払っていた。出払っていて良かった。それから私は尻をよく拭いてから外に出て、すると彼の姿はなく、家の前にシルバーの彼の小型乗用車が停まっているだけであった。私は即座に、 (神隠しかな) と疑った。私は疑り深い性格なのである。それから家の周りを探してみた。もしかしたら、彼が探偵の真似事でも始めて電気のメーターなどを見に行ったかもしれない、と判断したからである。この家のどこに電気のメーターがあるのかは知らなかったが、家の周囲をぐるりとす

    足がかり - 意味をあたえる
  • タイトル - 意味をあたえる

    文: 昨晩「ふくらんでいる」で書いた続きにもなるが、ここで私がただ「ふくらんでいる」と書いても知らない人もいるだろうから、そういう人には私が架空のブログの話をしていると思うのかもしれない。私はもう一年以上このfktackという活動をしているが、私が思うに、fktackなら架空のブログの話でも、何わぬ顔でやってしまいそうな気がする。ものを書くときに、多くの人はそれが現実なのか非現実なのかにこだわるが、私がやってきたことはその境目を曖昧にする作業だ。しかしそれは書いている途中段階で気付いた。 それで映画「セッション」の話だが、私がこの映画のとくに後半にかけて気にくわないのが音楽に対するリスペクトが、まったく見られないところだ。先生は復讐に音楽を利用した。たぶんこの人は音楽によって今の自分があると、全盛期には軽々しく思ったのだろうが、ひたすら音楽を自分に従わせることしかせずに、結果身を滅ぼし

    タイトル - 意味をあたえる
    akouroushix
    akouroushix 2015/10/22
    大人に成ったら怖くないですね。 読むたびに表情は変わってきますね。
  • ネタバレという言葉を使いたくない - 意味をあたえる

    昨晩家に帰るとひとりだったので、正確に言うと義父がやはりひとりで缶ビールを飲んでいたが、二階に上がればそこまで義父はこないから、私はひとりになれた。私は適当に会話を聞き流し、そうしたら郵便局の不在票が着ているというので、携帯からは料金が発生するので、固定電話からプッシュで再配達の依頼をした。まず、私はスピーカーに切り替えて操作したかったがやり方がうまくいかず、受話器を耳に当て続けなければいけないのでイライラした。それと、ガイダンスの突如の 「それでは、再配達希望日を押してください」 にはいつも、「いきなりそんな......」とどぎまぎしてしまう。入社したてに教育係から、 「じゃあ、今のやつ、ひとりでやってみて」 と言われるのに似ている。突き放された感覚だ。サバンナに素っ裸で放り出される感覚だ。するとガイダンスは私のそういう心境を察したのか 「例えば3月5日なら、「0305」ですよ」 と助け

    ネタバレという言葉を使いたくない - 意味をあたえる
    akouroushix
    akouroushix 2015/10/18
    ばらすぞ!いい恐喝のせりふですね。 余り使いたいとは思いませんが。
  • 私と妻 - 意味をあたえる

    朝からリンゴ狩りに行くと言うが、私は仕事なのでパスした。というより、最初からパスするものとして組み込まれた。それで、私が昨晩夕ご飯をべながら 「何時に出るの?」 と訊ねると 「遊びだから、仕事に行く人よりも後」 という謎ルールが適用された。これは今回は義母も同行するからであり、義母は古い人間なので、働く人間のほうが偉いと思っているのである。なので、私が一緒に出かけるときも、義父が家に戻るよりも早く帰りたいような素振りを見せるが、だいたいお風呂に寄るからそれは達成できない。義父はもう定年しており、今も一応仕事をしているが、私たちが遊びに出ているからと言って必ずしも仕事をしているとは限らないゆるい仕事なので、パチンコに行っていることもあり、義母の感じる後ろめたさは、つまり父権とか亭主を立てる的な感覚のようだ。 しかしこれが彼女たちの自己満足でしかないことは明らかで、「仕事に出たら、家を出る」

    私と妻 - 意味をあたえる
    akouroushix
    akouroushix 2015/10/17
    よく有りますこの類のすれ違い
  • 日常がシュールで困る - 意味をあたえる

    昨日保坂和志「遠い触覚」を読んでいて、そうしたら山下澄人の舞台を見たときのことが記されていて、タイトルは「インランド・エンパイアについて」だったので、やはり山下の舞台はリンチそっくり、みたいな話になっていて、こうやって書くと予定調和っぽい。だけれども内容は秀逸でフィクションについてかなり興味深いことが書かれていたので、これは私の記事で引用して、私の人気度を高める作戦に出たので、私は今朝はあまり早起きできなかったので、会社の休憩中に引用してやろうと思い、「遠い触覚」をバッグに入れたのだった。「遠い触覚」は、単行なのでそれなりの大きさであり、そうするとバッグにはお弁当も入れなきゃなので、バッグはパンパンになった。そのバッグを選んでくれたのはで、は全く読まない人なので、をバッグに入れるなんて、夢にも思わないからバッグはパンパンになる。しかし、文庫ならば一冊余裕で入るくらいのスペース

    日常がシュールで困る - 意味をあたえる
  • ポイントカード - 意味をあたえる

    最近書こうと思っていることが多くで困る。困る、というのは嬉しい悲鳴的なものではなく、例えば記事Aをうっかり下書き保存してしまうと、それを再開させる前に記事Bのことを考えてしまい困ってしまう。これは、記事Bである。 夕ご飯にパンをべようと袋を見たら点数シールがついていて、私は自分がポイントカードの類が嫌いですよ、ということが無償に書きたくなってしまった。ちなみにパンとは、メープルクッキーというパンで、牡牛座とか、そういう星座のシンボルみたいな形をしたパンである。私は最初メープルのつもりでなく購入し、つまり棚をよく見ずに手に取った。なぜよく見なかったのかというと、そのとき私は飲み物とかも買おうとしていたから手がふさがっていて、かがむと落としちゃいそうだからで、それならどうしてカゴを使わないの? とお思いの方もおられるだろうが、カゴがなかった。店員は男二人でなにやら楽しそうにおしゃべりをしてい

    ポイントカード - 意味をあたえる
    akouroushix
    akouroushix 2015/08/01
    自分を見るようです。
  • 可愛い子には旅をさせろ2 - 意味をあたえる

    昨日の記事についたコメントを読んでみると、私は「可愛い子には旅をさせろ」ということわざに対して、その意味を自分の中に定着させたくないのでないか、という風に感じた。つまり私は、自分の子に対し、すすんで苦労だとか試練だとかを与えようとは思っていないのである。 少し前にテレビを見ていて衝撃を受けたことがあって、それはヘンテコな親子を紹介するという番組の趣旨で、わがままそうな女の子が登場してきて、その子の部屋が紹介されていて、全体的にピンク色の女の子っぽい部屋となっていて、趣味の品々が紹介され、その隅の方に眼鏡をかけたショートカットのお手伝いさんのような、幸の薄そうな女性が座っており、その人がお母さんであった。その後、女の子のわがまま振りと、お母さんの過保護ぶりが紹介され、身の回りのことはもちろん一切しないし、好きなコンサートにも母親同伴で参加する。 それでスタッフが、スタッフのような口調で「こん

    可愛い子には旅をさせろ2 - 意味をあたえる
  • 質問をされた - 意味をあたえる

    一昨日の記事、メモをとるな云々について、その理由を教えてほしいと質問を受けた。私はこんな風にストレートに質問されるのが嬉しかったので、さっそく過去の記事を検索し、検索窓に「メモ」と打ってみたら、その中のいちばん古いものが、それだった。予想したとおり、かなり初期に書いたものだったので、今と感じが違っていた。そしてやはり、気にくわなかったので、URLは貼らずに、頭から書くことにした。そういう気にさせる質問だった。 しかし私はやがて気づいたが、スマホでコメントを返すのは、スマホで記事を投稿するよりもずっと難易度が高かった。私は記事を書いているときは、たまにはや子供が話しかけてくるから、中断せざるをえないときがあり、そんなときは「消えたら書き直せばいい、むしろ消えてラッキー」くらいに思って、乱暴にホームボタンを押しているが、アプリの方が、まるでお母さんがふて寝した子供に毛布をかけるみたいに、そっ

    質問をされた - 意味をあたえる
  • 功利主義は自殺を肯定するか - 意味をあたえる

    以前、匠習作さんのブログで、トロッコ問題を取り上げていて、私がコメントをしたら、返事をくださり、「人の命が地球より重い、というのは嘘です」という内容だった。「人の命は地球より重い」というのが誰の発言でどういう状況で出されたものなのか、私はよく知らないが、知らないというか、ぼんやりと聞いたことがある、という程度だからここには書けない、という意味なのだが、「地球より重い」というのはいささか浅はかというか、誇張というか、無理やり飾り立ててしまったような表現に感じる。 しかし、地球云々は置いといて、私はその中身、「人の命の価値に限りはあるのか、ないのか」について、今も時々考える。そうしたら今日の午前中に仕事をしていたら、東日大震災のときに、津波がくるぎりぎりまで避難の呼びかけを放送し続け、結果命を落とした市の職員のことを思い出した。そして、それはトロッコ問題の変形パターンになるのではないか、と思

    功利主義は自殺を肯定するか - 意味をあたえる
  • 記憶の石 - 意味をあたえる

    1小学校1年の頃に、親子で川原に石を拾いに行くという行事があった。あるいは、あった気がする。石を持ち帰り、そこに絵を書くのだ。石は重いし、それと尖っているのもあるから、先生は前日に「袋は必ず二重にして持ってくるように」と指示した。怖い先生だったから、それに今回は親も一緒だったから、全員が袋は二重にしたはずだ。それでも帰り道で穴があいてしまった生徒もいた。その人は欲張りで、石を詰めすぎたのである。帰り道は砂利道で、両サイドにススキだとか背の高い草がせり出してきていた。親子は肩を寄せ合うようにして、来た道を引き返した。私は持ち帰る石はほどほどの量にしたから、穴はあかなかったが、それでも重かった。当時はまだコンビニなんてなかったから、用意したビニール袋はイトーヨーカ堂のものであった。私はそのときはもう小学生だったから、おそらく袋は自分で下げて帰った。 2その1年か2年前に、私は幼稚園児であったが

    記憶の石 - 意味をあたえる
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