今から10年後、団塊世代が75歳を迎える。地域の特性に応じた地域包括ケアシステムの構築が急がれる中、長寿社会のまちづくりのあり方を実践・検証してきた東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授が、地域社会での「支える」医療について語った。 「支える」医療への転換期 団塊世代800万人が一斉に75歳以上を迎える、いわゆる「2025年問題」。かつて経験したことのない超高齢社会を前に解決すべき課題が山積している。東京大学高齢社会総合研究機構の辻哲夫特任教授は、「75歳は虚弱の入り口。2025年は、医療が超高齢社会仕様にシステムチェンジすべき転換期だ」と指摘する。その上で、病院で受け止めきれないから、といった消極的な理由ではなく、長生きしてよかったと思えるためにも、大都市圏こそ自宅で生活し続けるケアモデルの構築が重要だと唱える。 「ピンピンコロリは理想ですが、今は多くの人は大なり小なり人の世話にな