小さな頃から、時々変なものを見た。 それらはおそらく妖怪といわれるものの類。 祖母であるレイコさんは強力な妖力を持ち、出逢った妖怪に片っ端から勝負を挑み、いびり負かして子分になるよう証として紙に名を書かせ集めた。 持つ者に名を呼ばれれば決して逆らえない契約書の束である友人帳。 遺品としてそれを継いで以来、妖に襲われたり名を返したりと、てんてこまいの日々を過ごしていた。 だけど。 「此処が学校ですか……人の子がたくさんいます!」 まさか妖怪と一緒に学校に登校する日がくるとは思ってもいなかったな。 「もう学校についたから返事はあまりできないぞ」 「わかってます。いい子にしてますから」 「信じてるよキコ」 なんでもない学校の校舎の中を楽しそうにあちこみ見渡すキコの手を引き廊下を歩く。 通いなれた学校の風景も、妖怪であるキコには新鮮に見えるのだろうか。 「おはよう夏目」 「おはよう夏目くん」 「お