This application is Japanese language only. --- 梅雨明け、蒸し暑い昼下がりに『僕』は目覚めた。 記憶喪失――何もかもを失って。 混乱、そしてすがる過去がない事の恐怖。 闇夜に怯え、震える『僕』を救ってくれたのは、自分のメイドを名乗る少女、琴乃宮雪。 そして友人たち――宮代花梨、新城和泉、大和庄一。 優しい人たちに囲まれて『記憶喪失の自分』の新しい生活が始まった。 それは、どこかぎこちなくも優しい時間。 『僕』はそんな時間に幸せなものすら見い出し始める。 けれども、目覚めたその日から続く悪夢だけは変わることなく『僕』を苦しめ続けた。 夢の中には少女がいた。 色素の欠けた白い肌と赤みがかった瞳。 そして、闇夜を呑み込んで、なお黒光りする髪。 数週間後の七夕の晩、『僕』が出会う美しい人。 牧野那波―― それが、毎夜のように『僕』が射抜き殺し続ける少