毎週、水曜日が来るのが憂鬱(ゆううつ)だった。 私は1年前、那覇市役所前のヘイトスピーチ街宣を非難する記事を書いた。この時点で5年間も、沖縄の中心部で、公然と、差別の扇動が続いていたのに、メディアは見過ごしていた。その反省から出発し、本気で止めたいと考えた。最初の記事を書いた後も定例の水曜日は取材に通った。 しかし、街宣の主催者は私が来るとむしろ喜々として、差別発言をエスカレートさせた。通行人の中に標的とされる中国や朝鮮半島ルーツの人々がいて、今傷ついているかもしれない。でも止められない。無力感が募った。 そんな中で書いた記事の一つが転機になった。5月、新型コロナウイルスによる社会不安に付け込み、中国人ヘイトがさらに悪質化していると伝えた。 読者の中に事態の深刻さを受け止めてくれた男性がいた。男性はすぐ、次の水曜日に抗議のカウンターをしようとツイッターで呼び掛けた。 何人集まるのか、主催者