子育てと仕事の関係というと、リモートワークの可否や産休・育休の取得しやすさなど、制度や福利厚生の面が注目されがちだ。だが、米国でおこなわれた心理学の調査研究によれば、「両親が自分の仕事をどう思っているか」が、子供の成長にも大きく影響するという。 親が仕事や職場で得た経験をどう捉えているかが、子育てや子供の発達にも影響を与える──言われてみれば、当たり前のように聞こえるかもしれないが、当事者である親は意外にこのことに気づいていないかもしれない。 これまで仕事と家庭に関する研究は、育児休暇や残業などの制度面や、スケジュールの調整方法などが論点になることが多く、「親が実際にどのように働いているか」という視点に欠けていた。 モーリーン・ペリー=ジェンキンスは、マサチューセッツ大学アマースト校で発達心理学の教授を務める。彼女が率いる研究グループは、第1子を授かった370家族を対象に、妊娠中から小学校