を読む。 佐藤 悦子『SAMURAI佐藤可士和のつくり方』 著者は、アートディレクター佐藤可士和の妻にしてマネージャー。 常に方法を意識しながらメタレベルからプロジェクトを見つめる立場を貫く。 オフィス作りの話にも一章割かれている。 独立後、ふたつのオフィスは極めてタイトフィットで、ひとりもスタッフを増やすことができなかった。そこで三つめのオフィスは、「十人増えても大丈夫な空間」が目指され、実現された。 先の二つのオフィスを手がけたときは、「設計した時点の条件で完成するデザイン」でした。それはそれとして美しく、完成されたデザインですし、コンセプトも明快に伝わっていましたが、ちょっとでも動かしたら壊れてしまうという点においては、繊細で弱いクリエイティブだったと言えます。誤解を恐れずに言いますと、オフィスという空間に求められる条件を満たしていないという意味では、失敗だったと言っていいかもしれま