2015年夏、国会を取り囲んだ安保法制反対デモ。しかし、「集団的自衛権」なるものが国際社会でどう理解されているかを知ると、そもそも私たちは何をめぐって議論していたのか、よくわからなくなる…〔photo〕gettyimages 文/伊勢﨑 賢治 国際社会の理解と根本的にズレてる? 日本の非常識を、これほど可視化した政権があっただろうか。それが安倍政権の最大の功績だ。 集団的自衛権。この行使を容認する閣議決定が、強烈な違憲行為であり、立憲主義への脅威として捉えられ、安倍政権を糾弾する国民運動に発展した。筆者も、その一翼を担った(http://kokumin-anpo.com)。 いまだに、「集団的自衛権の行使容認+その閣議決定=重大な違憲行為」は、9条護憲派を中心に、一部の改憲派をも巻き込んで、安倍政権打倒のロジックとなっている。 しかし、日本人の、集団的自衛権のそもそもの理解が間違っていると