東京都世田谷区で二〇〇〇年十二月、会社員宮沢みきおさん=当時(44)=一家四人が殺害された事件で、犯人の遺留品から見つかった蛍光剤が紙の着色などに使われる「ローダミン」と呼ばれる粉末染料で、三種類あったことが捜査関係者への取材で分かった。三種類を使い分けるのは染色の専門家が多く、捜査本部は犯人が事件当時、美術系の仕事や学問に従事していた可能性があるとみて、宮沢さんの交友関係を中心に捜査を進めている。 捜査関係者によると三種類のローダミン粉末は、犯人が残したトレーナーとヒップバッグに付着していた。うち二種類の粉末は宮沢さん宅の車庫からも見つかったという。 ローダミン粉末は緑褐色で、水に溶かすとピンク色になり、光を当てると蛍光発色する。現場にあったのはローダミンB、6Gなど三種類で、成分が異なり、発色や耐久性、溶解度などに微妙な差がある。染料問屋以外では手に入りにくい。