1991年の創刊以来、中国知識人の良心を代表するとして愛読されてきた中国の改革派雑誌『炎黄春秋』がついに停刊に追い込まれた。おそらくは文革発動50周年に関する5月号の記事が最終的なきっかけとなったのだろう。習近平政権になってから何度も停刊危機がささやかれたが今年7月17日になって、社長だった杜導正の署名で停刊声明が出された。過去25年19回にわたって当局から圧力を受け続け停刊の危機に瀕しながらも耐え続けた雑誌が、このタイミングで停刊に追いやられた背景に何があったのか。炎黄春秋停刊から見えてくる中国の未来を考える。 当局による雑誌社乗っ取り 停刊声明は、このような文面だった。 「7月12日、中国芸術研究院が一方的に炎黄春秋雑誌社との契約書「中国芸術研究院と炎黄春秋雑誌社協議書」を破毀し、わが社指導機構の総入れ替えを宣言したことは、憲法第35条が与えた“公民の出版の自由”の権利を厳重に侵犯する