前回までの粗筋 ヒューパの中枢に紛れ込んだスパイの容疑者として、ホリー先生が浮かんだ。 ティアは、ホリー先生の嫌疑を晴らすためとそして最悪スパイだったとして、敵を罠にかけるために新兵訓練をかねた魔獣討伐に出ていったティア達だったが、逆に謎の敵の罠に落ちてしまっていた。 ★2503年 3月11日昼 旧ホラ領付近、人界外魔境 モグワイ(姉者)とギズモ(妹者)姉妹(兄弟?) 「あ、姉者(あねじゃ)、今のは何じゃ? あのでかい火炎熊も姉者が呼び寄せたのかえ?」 「妹者(いもじゃ)よ、私は知らぬ、いくら旧帝国、古(いにしえ)の魔術具とは言え、あんな化物クラスの魔獣なんぞ操れぬわよ。あの火炎熊なら竜種相手でも勝っちゃうかもしれないわ」 綺麗に編み込んだ長い髪をなびかせ、高貴な貴族女性が着るような金糸混じりの派手な女性服に身を包んだ2人組が、共に駆る馬上で話しをしている。 2人の顔はよく見ると瓜二つだし
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