8月中旬のことだけれど、インターネットで果物などの食品を販売している店から、「お願いです! 福島の桃を買ってください」というメールが送られてきた。それも「2度とできない限定企画」だという。 福島は桃の名産地だが、原発事故の風評被害で思うように出荷できなくなっている。いまが最盛期だが、このままではただ 腐ってしまうだけだ。そこで、通常はディスカウントしない最高級品を2箱2980円の大特価で販売する、という説明だった。 さっそく注文してみると、1週間後に熟れ頃の見事な桃が自宅に送られてきた。いくつかを知人に配り、残ったらジャムかゼリーにすればいいと思っていたのだが、あっという間に食べつくしてしまった。 私がこの桃を買ったのは、「なぜ得なのか」の説明に説得力があったからだ。理由が明快なら、だれだって安くておいしい方を選ぶだろう。「風評被害」は、私にとって千載一遇のチャンスだったのだ。 この言い方
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