第20号 『異議があります!』 反対できない採決 シナリオ通りといえば、本会議の採決にもシナリオがあります。本会議の採決の方法は三通りあって、全員賛成の議題ならば「異議なし採決」。これは議長が「ご異議ありませんか」と諮って、「異議なし」と声がかかる採決です。次に、全員賛成ではない議題の採決で、議長が「賛成する諸君の起立を求めます」と声をかけ、賛成者が起立する「起立採決」。そして、最後に予算案や内閣不信任案などの採決に使われる「記名採決」。これは各議員が自分の名前の書かれた木札を、議長の前に置かれた箱に入れていきます。 全員が賛成するかどうかは、本来、採決してみないとわからないものですが、本会議前の議院運営委員会で、各政党の代表が、わが党は賛成とか反対とか、立場を表明し、その時に反対者がいなければ、「異議なし採決」になり、反対政党があれば、「起立採決」になります。 問題は、ここで「異議なし採