国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者が殺害されたことを根拠に、イランが中東地域からの米軍の撤退を求めている。核開発問題で孤立するイランにとって、米軍の存在は安全保障上の脅威。中東での影響力を強めたい思惑も透けて見える。 「米軍と同盟軍は『テロとの戦い』を口実とした中東での駐留を続ける理由がなくなった」。イラン外務省のメフマンパラスト報道官は2日、ビンラディン容疑者の殺害を受けて政府の見解を述べた。 イスラム教シーア派を国教とするイランは、アフガニスタンのスンニ派原理主義組織タリバーンを毛嫌いする。さらに、イラン南東部を拠点に自爆テロを仕掛ける反政府勢力「ジュンダッラー(神の兵士)」が、アルカイダの影響を受けていると警戒してきた。 イランの東隣アフガンで「天敵」の掃討を続ける米軍の存在は、イランの利益にもかなう。 しかし、核開発問題をめぐる国際社会とのあつれきが深