これはいったい何なのだ?! と思える特別な喜びをレインコーツの最初のシングル盤と出会ったときに感じてからざっと31年経って、そのレインコーツが目の前にいる! それはもう粒子が実体化して人になっているようなもの。俺にとって、創り出すことが日々の糧だと何度も思ううち至極当たり前の事になっているのはレインコーツに出会ったこともかなり影響しているのだなあとそのステージを観るうちに強く思ったのだった。手探りが大きな像を生み出すように、雨粒が水たまりになるように、孤独が清々しい精神の鍛錬に思える日々を回想させる鮮やかな、朴訥な音楽。見せかけの充足やなめらかな装飾などあっという間に霧散させる。未完に向かって歩む同志、と勝手に呼ばせてもらいます。レインコーツ、永遠なれ。 ――最初にシングルを買ってから31年が経ちますが、まさか日本でライヴが観られるとは思っていませんでした。永続的に活動していなかった印象が