●小説の伊良部をアニメで因数分解したら3人になった 2009年10月~12月の3ヵ月にわたってフジテレビの“ノイタミナ”枠で放送され、その斬新な映像表現などが注目を集めたアニメ『空中ブランコ』。放送からひと月あまり経ったいま、この“衝撃作”をひもとくべく監督の中村健治氏にインタビューを敢行。『空中ブランコ』の秘密に迫った。鬼才、中村監督が大いに語る、『空中ブランコ』の真実とは? 中村健治氏。『怪 ~ayakashi~』の”化猫”(2006年)や『モノノ怪』(2008年)のシリーズディレクターとして注目を集める。『空中ブランコ』では監督を担当。 ――『空中ブランコ』と言えば、奥田英朗の直木賞受賞作なわけですが、そもそもなぜアニメ化することになったのですか? 中村 フジテレビの方から、「『空中ブランコ』というおもしろい作品があるんだけど、アニメ化するならどうなるだろう?」と言われたので、スタッ