テレビ局の名物社員の退社がたびたびニュースになっている。テレビ業界でなにが起きているのか。元テレビ東京社員で桜美林大学教授の田淵俊彦さんは「人気番組を作ってきた実力者ほどテレビ局を離れつつある。その直接の原因はYouTubeやNetflixの台頭ではない」という――。 テレビ界の人材流出が止まらない 私は、プレジデントオンラインで2回にわたって、ドラマ「セクシー田中さん」問題を検証してきた。なぜテレビは原作を改変したのか――。そこにはテレビ局の構造的な欠陥やクリエイターの劣化という原因が潜んでいることを指摘した。 第1回は、「マネタイズ」や「視聴率主義」「ドラマ偏重」、第2回は「リスクマネージメント」や「想像力」の欠如などの理由を挙げた。 だが、テレビ業界はいまもっと大きな問題に直面している。それは「人材流出」である。テレビ局を辞める有力社員が後を絶たないのだ。番組というコンテンツを人の力