第12回で取り上げたテレビをめぐる討論番組『日本のこれから』のなかに、「これからのテレビに何を期待するか」というテーマで議論するコーナーがあった。ここぞとばかりに視聴者代表の参加者たちがテレビ局への個人的な要望をそれぞれ勝手に言ったので、放送作家・鶴間政行氏はいささか苛立ったのだろう、少し強い調子で「私は一人の視聴者として、こういう番組をテレビに作ってほしいと思ったことなど一度もない。作られた番組を見て、はじめて自分はこういう番組が見たかったんだと教えてもらってきた」と言い放った。かっこよかった。まったくそうだと思う。優れたテレビ番組は、視聴者が作ってほしいと望んでいた番組などでは決してない。そんな番組が面白いはずがない。自分には思いつかなかった面白さを発見したからこそ、私たちはそれに驚き、感動するのだ。 この話を聞いたとき、私は、『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京、木曜日深夜0時12