1月31日に遂にイギリスがEUから脱退した。移行期間があるので、すぐには影響は見えない。だがこれからいよいよブレグジットの余波が具体的に立ち現れてくることになる。 これにあわせて日本では「日英同盟」復活論が盛んだ。イギリスがEU域外諸国との連携を強く模索しており、日本への関心を強めていることは、事実だ。経済面のみならず、安全保障面でも、強力なアプローチが続いている。 日本の側にも、これに反対する理由はない。欧州における特別なパートナーとして、さらにイギリスを位置付けていくべきだろう(離脱の余波を見極めながらになるが)。 ただし、「日英同盟」が、1902年に締結された実際の条約に基づく概念だとすれば、言うまでもなく、この「日英同盟」の復活などありえない。多くの事柄が当時とは異なっているからだ。一番は、今のイギリスと当時の大英帝国が、全く違っている。大英帝国は、東南アジアにも領土展開するアジア