コンピュータはこの30年、まったく進歩していない――。 有名エンジニアによるトークライブの場として知られる『TechLION』の壇上で、慶應義塾大学・環境情報学部の増井俊之教授はそう言って業界の現状を憂えた。 2014年9月に開催された『vol.18』のテーマは「モノづくり」。小惑星探査機『はやぶさ』プロジェクトチームの一員としても知られる会津大学の寺薗淳也准教授、面白法人カヤックから独立しフリーのエンジニア/クリエイティブ・ディレクターとして活躍中の瀬尾浩二郎氏とともに、UI(ユーザーインターフェース)研究の第一人者、増井教授は登壇した。 かつてはAppleで働いており、携帯電話の日本語予測変換システムやiPhoneの日本語入力システムを開発した人としても知られる増井氏は、なぜ時々刻々と性能が上がっているように見えるコンピュータ(編集部注:増井氏の発言では「計算機」)がまったく進歩
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