はじめに かのビル・ゲイツ氏が「21世紀のマイクロソフトの基本戦略はベイズテクノロジーだ」と述べたのは2001年のことです。ここ10年の間にベイズ理論は注目され、発展して、さまざまな分野で利用されるようになりました。 ただ、研究者や情報工学に携わる人たちを別にして、一般のマーケターからはまだ「ありがたそうだけど敷居の高いもの」と受け取られているのではないでしょうか。 思いっきり平たく乱暴に砕いてみたらどう言えるだろうか、というのが拙稿のテーマです。 ベイズ統計の誕生 ベイズ統計は250年も前にイギリスのアマチュア数学者だったベイズさんが発案し、彼の死後世の中に提出されました。 ところが、当時主流を形成しつつあった頻度論的推計学派から異端とみなされ、長く封印されてきました。いかに発想がおもしろくても厳密さに欠けるというのがその理由でした。今から思えば、ちょっとした視点の違いからくる近親憎悪と
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