『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』というタイトルは、アーサー・ケストラーの評論『The Ghost in the Machine(機械の中の幽霊)』にインスピレーションを受けていることは、よく知られている。 ケストラーの「機械の中の幽霊」という概念は、デカルト流の心身二元論−−人間は、自由意志をもつ心と、機械的動作を行う身体とが独立して存在し、それぞれが相互作用するものという人間観−−を批判したものだ。我々には実体をもった心などないし、心身を明確に二分することもできない。人間とは身体(機械)の中に住む幽霊(心)なのだ、というのが「機械の中の幽霊」という概念だ。