家、ついて行ってイイですか?という番組の教養小説性 家、ついて行ってイイですか?(以下「家」)という番組にある種の興味を覚えるのは、そのエセサイコセラピー性に拠るのかもしれません。インチキ教養小説性と言い換えてもいいでしょう。 教養小説、つまり登場人物が成長する物語、自己実現の物語ということ。一番わかりやすい例として「千と千尋の神隠し」(以下「神隠し」)という映画を挙げられます。 どうでもいいことですが大塚英志という評論家はバカでもわかるから「神隠し」はヒットしたのだと言いました。 この映画のあらましは以下の通り 1 異世界に迷い込んだ主人公が名前を奪われる 2 労働を通して名前を取り戻して異世界から帰還する 以上です。 労働を通して自分が見いだされるというのはわかりやすいマルクス主義思想の寓意であり、奪われた名前はユング派がいうところのセルフです。湯屋はグレートマザー(すべてを飲み込む