証券会社などが個人投資家から預かる資金をまとめて運用する「ラップ口座」が人気だ。国内残高は6月末で8655億円と5年半ぶりに過去最高を更新し、その後も資金流入が続いている。昨年秋から株式相場が上昇局面にあることに加え、証券会社が投資額の下限を下げて顧客層の拡大を図ったことも背景にある。【山口知】 ラップ口座は、金融機関が資金を国内外の投資信託や株式、債券、不動産などに分散投資する。投資家は「積極」「バランス」「安定」などの運用方式を選択するが、具体的な運用方法は金融機関に一任する。元本割れのリスクもあるので注意が必要だが、投資先を調べる手間が省ける手軽さがある。 大和証券の場合、2008年末から今年7月末にかけての運用利回りは36〜75%。同期間の東証株価指数TOPIXの上昇率34%を上回った。 国内でラップ口座が広がり始めたきっかけは、04年の制度改正で投資家への運用報告義務が簡素