生徒から花束や似顔絵を受け取った原田さん=山口県宇部市で2021年2月17日午後2時40分、柳瀬成一郎撮影 山口県宇部市の市立常盤中購買部が3月末に閉店する。学校によると、市内の公立中で最後の購買部だった。約半世紀にわたり、店主として奮闘してきた原田澄恵さん(84)=同市西岐波=にとって、毎日出会える生徒たちの笑顔ともお別れの日が来る。「55年間、嫌な思い出は一つもない。全てが楽しく、感謝の言葉しかありません」と振り返る。【柳瀬成一郎】 店主になったのは1966年。学校敷地内で文房具などを販売し、時には生徒と会話を楽しむ。休み時間は購買部の前を歩く女子生徒から「おばちゃん大好きよ」などと話しかけられ、帰宅する際には、校舎の窓から「おばちゃん、バイバイ~」と声が飛んだ。何気ないふれ合いが、原田さんの生きがいだった。