これは重松清による同名小説を原作に、千夜一夜座座長の田中千寿江が脚本・演出を手がけ、出演もする公演。舞台は広島県比奈町。そこへ、謎の類人猿・ヒナゴンの目撃情報が30年ぶりに寄せられて……。 上演に際し千夜一夜座は「コロナ禍を経て、私たちがあらためて気がついたこと。それは、ありきたりな言葉かもしれませんが、人と人とのつながりであり、絆です。今回、上演する『いとしのヒナゴン』は、広島県の田舎町、比奈町の人々の絆と思いと、それを信じる心がとても温かく描かれています。ヒナゴンは、人々のその思いの象徴であり、信じる心そのものなのだと感じました。年明けには、石川県を中心とした大きな災害が起き、被災された方々は大変な生活を強いられています。その中でも故郷を離れたくない多くの人たちがいます。離れてもなお、心のふるさとを求める多くの人たちがいます。人の心に寄り添う舞台づくりを目指してきた私たちが、今こそ舞台