18世紀、西アフリカの内陸地帯にあったカイガラ村にクンタという16才の黒人少年が、父親のビンタ、母親のオモロ、兄弟姉妹とともに住んでいた。 ある秋の晴れた日、クンタはいつものように村から4kmはなれた畑へ家族とともに農作業に出かけた。ちょうど昼時、バオバブの大木の下で休んでいると、突然、槍や鉄砲などで武装した兵士数十人に取り囲まれた。 海岸地帯に住むカカ族の兵士たちだった。カカ族はイギリス商人から鉄砲などの武器を買い、その武器で内陸部の黒人を捕らえて奴隷としてイギリス商人に売り渡すことで利益を得て栄えていた部族だった。父や母は、クンタやその兄弟姉妹を守るために必死に抵抗したが、あっという間に殺害された。 クンタとその兄弟姉妹はカカ族に捕まり、海岸にある城砦に連行されることとなった。 海岸までの道のりは150km以上あり、6才以下の弟や妹は足手まといとなるため事前に殺された。カカ族は途中の村
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