やさしい気持ちになる映画です。 ソフィアがマリー・アントワネットを題材に描くは、(やはり今回も)普遍的な女の子の悩み(ですのでキルスティン・ダンストの配役にはとっても納得)。 マリーの精神状態は、洋服、音楽、カメラワークなどで丹念に描かれます。 たとえば、マリーが精神的に不安定になると、カメラが手持ちになり画面をワザとぶれさせて、マリーと共に床に崩れ落ち、精神的にダウンする感じを演出。実母から「早く子供を生め」という命令の手紙を何度も読んで途方に暮れたときは、大きなヴェルサイユ宮殿のバルコニーに、ポツンとたたずむマリーを冷たく機械的なカメラの視線で捕らえ、その映像をどこまでも直線的に引いてゆくことで絶望的なまでの心細さを表現。 音楽では、買い物やギャンブル、お菓子などを貪って「躁」状態になるとロックがかかり、満ち足りたときには、鳥などの鳴き声や植物が風に揺れる音にしてみたりと。マリーの心を