羽海野チカせんせいが『3月のライオン』で「第18回手塚治虫文化賞」を受賞されました!本当におめでとうございます! 前作『ハチミツとクローバー』では、美大を舞台に若い男女のピュアな片想いや不器用な自分探しなどが賑々しく繰り広げられ、まさに青春! という感じがたまりませんでしたが、そんなハチクロとは打って変わって、『3月のライオン』では家族を亡くした孤独な天才少年棋士が主人公。 人生の重みを感じさせるシーンもばんばん出てきつつ、彼が周囲の人びとと関わり成長する様子を見守りながら、ユニークな棋士たちが跳梁跋扈する将棋界や、熱かったり切なかったりする対局の数々を楽しめてしまうという、何ともぜいたくな物語となっています。 生きるために「選ばされる」ことは不幸? 本作の主人公である「桐山零」くんは、17歳のプロ棋士。幼い頃に事故で家族を失い、ひとりだけ生き残った男の子です。彼が将棋と出会ったのは、亡く