我が国の財政状況は先進国の中で最も厳しい状況にある。そのような中、少子高齢化が今後ますます進展することもあり、国民負担の増大が避けられないものとなっている。租税や社会保障の負担の増大が労働インセンティブにマイナスの影響を与え経済の活性化を妨げるという意見もあり、国民負担率(あるいは潜在的国民負担率)の増大をできるだけ回避するため、公共支出や社会保障制度の改革が断続的に行われている。しかしながら、医療、年金、介護といった社会保障制度から人々は一定の便益を得ているのも事実であるし、現在世代や将来世代にとって有益な社会資本も存在する。したがって国民負担率がどの程度が望ましいのかについて議論する際には公共支出や社会保障制度からの便益も同時に考察しながら議論を進めることは重要であろう。我々はこのような視点に立ちアンケートを行うとともに、主成分分析の手法などを用いてアンケート結果の考察を行った。 アン