Nick Roweが、WCIブログの1/3エントリで、供給制約型経済と需要制約型経済について興味深い考察をしていた。ここで前者はキューバや北朝鮮のような経済を指しており、後者はG7のような先進国経済を指している。通常の解釈では、経済があまり発展しておらず、国民の需要を十分に満たせない国では供給が経済のボトルネックとなる。一方、供給能力が十分すぎるほど発展した国では、不景気においては需要不足が問題になるので、需要が経済の決定要因となる。Roweの解釈が興味深いのは、そこに独占的競争の考えを持ち込んだ点にある。 Roweは、続く1/8エントリで、3つの図を用いて自分の考えを説明している。以下ではその図をもとに彼の考えを紹介してみる*1。 最初にRoweが示したのは、独占的競争下の個々の企業の価格、限界収入、限界費用と数量の図である。縦軸の価格を全体の物価水準で割って基準化し、均衡価格を1と置い